聞き手のための権利宣言〜マッキンゼー流プレゼンテーションの技術 ジーン・ゼラスニー著

  1. 目的
    1. プレゼンテーションの結果として、自分に何を行ってほしいのか、何を考えてほしいのかを知る権利。
    2. 何故自分の関与が必要なのかという理由を知る権利。
    3. 自分がプレゼンテーションを懸命に聞いている時間に相当する価値を受け取る権利。
  1. 尊敬
    1. 知的な内容に貢献する権利、そして成果の割り当てを受け取る権利。
    2. 瞬時の決断を迫られることなく、考える時間を与えてもらう権利。
    3. へりくだった話し方や見下した話し方をされることなく、同時に、自分の経験や知性や知識に敬意を払った話し方をしてもらう権利。
    4. 自分の質問に答えられない場合には、その旨を正直に言ってもらう権利。
    5. (この権利を行使する人はほとんどいないが)退出することで不満を表し、熟慮の乏しいプレゼンテーションに対しては、退席をする権利。
  1. タイミング
    1. プレゼンテーションにかかる時間を前もって知らせてもらう権利。
    2. 忙しい日程を繰り合わせて出席するのだから、時間通りに開始し、時間通りに終了してもらう権利。
    3. 時々休憩時間をもらう権利。生理的要求のためばかりとは限らない。
  1. 内容
    1. 自分がどの方向に向かうのか、プレゼンテーションがどんな風に進行していくのかをあらかじめ知らせてもらう権利。
    2. 未解決の懸案事項は何か、話し手の立場に対する論理的根拠、またこの論理を支える事実を知る権利。
    3. 重要な情報を先に知る権利。予期せぬ結末はO・ヘンリに任せよう。
  1. 資料
    1. 会場のどこに座っていようとも、オペラグラスなしでも示される資料の文字がすべて読める権利。
    2. 複雑な資料については説明を受ける権利。
  1. フレキシビリティ
    1. ディスカッションのためにプレゼンテーションを中断し、全員が共通の理解に達するまで補足する権利。
    2. 「後ほど説明を」と延期されるのではなく、いつでも質問でき、質問をしたときに答えてもらう権利。
  1. プレゼンテーションの実施
    1. 部屋の後ろのほうにいてもプレゼンターの話を聞くことができる権利。
    2. 派手な身振り手振りに気を散らされることなく、プレゼンテーションの内容をよく理解する権利。
    3. プレゼンターの後頭部だけでなく、顔も見る権利。プレゼンターはスクリーンに向かっていても、声が跳ね返って届くと思っているが・・・。
    4. 言いたいことを述べる上で効果を上げ、聞き手の緊張を解きほぐし、両者が緊密な関係をつくる上で役立つ場合に限り、ユーモアのセンスを楽しませてもらう権利。
  1. エンディング
    1. 同意に達した事柄や次にくる事態を明示してもらう権利。
    2. 何か意義あることを成し遂げたという実感をえる権利。